新しい査読のあり方を問う研究者向けSNS
以前に「研究者向けSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」として「ResearchGate」を紹介しました。
今回は、ResearchGateよりもさらにユーザー数が多い研究者向けSNS「Academia.edu」(https://www.academia.edu)を紹介します。現在のユーザー数は2800万人以上で、『Nature』のインターネット記事「News & Comment」でもインタビュー記事が掲載されるほど、注目されているサービスです。
フォローした研究者と研究分野の情報が流れる
Academia.eduは無料で利用できます。メールアドレスで登録するか、FacebookまたはGoogleアカウントをリンクさせます。
Academia.eduでは、他の研究者をフォローして、研究者の情報や論文などをチェックできます。もちろん、自分の業績や論をアップロードできます。この点はResearchGateとほぼ同じですが、Academia.eduでフォローできるのは研究者だけではありません。タグとして使われている研究分野をフォローすることで、その研究分野に関わる論文などをチェックできます。Academia.eduでは求人情報も掲載されるので、タグをフォローすれば自分の分野に該当する求人もチェックできます。
論文をアップロードして査読を受ける
Academia.eduの最大の特徴は、SESSIONSとよばれる機能です。投稿前の論文のドラフト版、または掲載済みの論文をアップロードすると、Academia.eduのユーザーが内容についてコメントできるという機能です。
投稿前の論文であれば、閲覧できるユーザーを限定して内容をブラッシュアップする、という使い方が可能です。掲載済みの論文であれば、新しいアイデアを受け取ったり、共同研究するきっかけにしたりできます。コメントは論文のアップロードから20日間受け付けることができ、20日を過ぎるとコメントはアーカイブされます。アーカイブ化されたコメントは、SESSIONSに参加したユーザーのみが閲覧できます。
SESSIONSは、新しい査読のかたちと見なすことができます。出版前であれば、ジャーナルによるピア・レビューよりも広い研究者から意見を募ることができ、出版後もオンラインで精査される特徴があります。
Academia.eduは新しい査読のあり方を問うサービスでもあります。無料で利用できるので、ぜひ一度試してみましょう。
参考資料
Social network launches bid to get academics chattering about papers online : Nature News & Comment