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日本発の生成AI検索エンジン「Felo」の論文検索機能と検索エージェント機能を紹介

Felo(フェロー)は、日本のスタートアップ企業であるSparticle株式会社が開発したAI検索エンジンです。2024年7月にリリースされ、2025年にはFelo3.0へとアップデートされました。リリースから1か月で世界のユーザー数が15万人を超えており、日本発のAI検索エンジンとして期待されていることがうかがえます。

今回は、Feloの便利な機能のなかでも、論文執筆に活用できる論文検索機能と検索エージェント機能について解説します。

Feloの概要

Feloは日本発のAI検索エンジンですが、「世界中の言語の壁を取り除く」ことを使命として掲げており、ユーザーは母国語で入力して母国語で回答を生成することができます。カジュアルなユーザーによる日常的な質問はもちろん、学生や研究者、各分野のプロフェッショナルが求める専門的な情報を効率よく検索することもできます。

従来の情報収集では、ユーザーが検索エンジンを使って適切な質問を繰り返し、表示された結果のなかから複数のサイトを訪問する必要がありました。専門的な情報は従来の検索エンジンだけでは網羅できなかったり、母国語が英語ではない場合は言語の障壁によって最先端の学術論文にアクセスできなかったりという課題もありました。

Feloは、複数の検索プラットフォームを横断して検索します。また、質問と関連性の高い順に検索結果を要約するため、求める情報にスムーズにアクセスできます。生成結果にはソース(情報源)が表示されるので信頼性は高く、生成結果の最後に提案される「関連する質問」は、さらなる情報の探索につながります。Feloに先駆けてリリースされたAIリアルタイム翻訳アプリ「Felo瞬訳(Felo Translator)」の技術を活かし、検索結果はユーザーの使用する言語に自動翻訳されるので、言語の障壁はなくなります。

Feloの基本的な使い方

FeloはiOSやandroid版などのアプリ展開もしていますが、ここではWeb版の使い方を解説します。

Web版は、Feloのサイトにアクセスし、メールアドレスまたはGoogleアカウントでサインインするだけで使い始めることができます。トップ画面には質問を入力する欄が表示されており、一般的な検索エンジンと同様に、質問を入力して検索を始めます(画面左にある「新しいスレッド」から検索を始めることもできます)。短いキーワードを組み合わせた検索はもちろん、対話形式の自然言語でも適切に検索することができます。また、入力している最中にも質問に関連した単語やフレーズが提案されます。

検索する範囲は「Web検索」がデフォルトになっており、目的に応じて「SNS検索」や「論文検索」、オンラインを介さずLLMを活用して回答を生成する「チャット」などを指定することもできます。PDF、Word、TXTファイルや画像などを添付して検索することもできますが、無料版では検索回数が制限されています。

生成結果

生成結果は、画面中央に表示されます。

ソース

画面右側にはソースとリンクが表示され、生成結果の情報源となったサイトに容易にアクセスできます。概要を効率よく把握するのに役立つ要約も生成されます。

関連

生成結果を下までスクロールすると、「関連」というところに、これまでの会話に関連する質問が複数提案されます。

マインドマップ

「マインドマップ」のボタンを押すと、生成結果の要点をマップにまとめた画像が数秒で生成されます。

プレゼンテーション

画面上部にある「文書を表示」または「プレゼンテーション」のボタンを押すと、1分程度でPowerPointのプレゼンテーション資料が生成されます。テンプレートも選択でき、プレゼン資料の叩き台を作成する時間を節約できます。

トピックに追加

「Web検索」や「論文検索」の場合、画面上部にある「トピックに追加」のボタンを押すと、検索結果をトピックとして種類ごとにまとめることができます。トピック集は画面左にコレクションされ、後で見返すことができ、さらなる情報探索に役立てたるのにも役立ちます。

その他

生成された回答をコピーするボタンやシェアするためのボタン、Notionに保存するためのボタンがあります。

Feloの論文検索機能

Feloでは、入力欄の下にある「検索元」から検索結果の範囲を指定できます。「論文検索」を指定すると、学術論文にフォーカスして検索することができます。すでに公開されている査読済みの学術論文から検索するため、信頼性が高い生成結果を得られます。Feloは2億4500万本以上の学術出版物から検索なるデータベースを利用しており、常に最新の情報にアクセスできるようになっています。

ユーザーは使い慣れた母国語で質問できますが、結果は英語論文をはじめとするさまざまな言語の学術論文を広く検索して生成されます。多言語に対応しており、直感的に操作できるインターフェースが特徴です。ソースとなった学術論文の要約や著者名、出版年、被引用数を生成結果の画面上で確認でき、論文の本文にも容易にアクセスできます。

学生や研究者の学術研究はもちろん、科学的な裏付けのあるデータを市場分析に役立てたり、一般的なユーザーが個人的な知識向上に活用したりと、さまざまなシーンで活用できる機能です。

Feloの基本的な機能は、論文検索においても非常に役立ちます。例えば、視覚的に情報を整理して把握できるマインドマップや、ソースである引用論文の要約生成は、トピックの理解を深める手助けとなります。

トピックに追加する機能は、知識の整理や継続的な学習に役立ちます。関連する研究論文をコレクションしたトピックをエクスポートして、資料や論文の執筆に活用するのもよいでしょう。

Feloの検索エージェント機能

2025年1月にアップデートされたFelo3.0には、検索エージェント機能が追加されました。翻訳、要約生成、トレンド分析、経営戦略など特定の領域のAIエージェントが、ユーザーの代わりにリサーチしてくれるという機能です。学術研究においては、効率的な情報収集や集めた情報の整理・出力を支援し、効率化や生産性向上に役立てることができます。

画面左の「Felo Agent」から、おすすめのテンプレートを選択して使用します。学生や研究者におすすめのエージェントを3つご紹介します。

PDF論文の速読

論文のPDFデータをアップロードすると、研究背景、主要な問題とその解決策、実験の設計および結果の概要、本論文の限界と貢献、そして未来の展望という複数のステップで論文の要点を分析します。PowerPoint形式でアウトプットもでき、学会発表の準備やレポート作成などの効率化や時間の節約に役立ちます。なお、PDF形式を含めファイル添付による検索は、無料版では1日3回に制限されており、有料版ではトピックごとに50ファイルまでアプロードが可能です。

URL Summary

URLを入力すると、そのWebページの内容について要約を生成します。OA論文をはじめ、Web上で閲覧できる資料の内容を効率よく把握するのに役立ちます。

知識研究

特定のトピックについて関連文献を幅広く検索し、その背景や歴史、トレンドや詳細などを包括的にまとめた文章を生成します。デフォルトでは、そのトピックに関する概要、起源と背景、核心概念や重要な原則、現在の従用、課題と論争、未来の動向という6つのステップが設定されており、必要に応じて削除したり新たなステップを追加したりできます。学術研究においては、研究の背景や現在の状況、トレンド、主要文献などを含むレビュー報告書の叩き台として活用することができます。

Felo Agentは、文献レビューやフィールドリサーチ、論文執筆のほか、学際的研究の準備やプレゼンテーション資料の作成にも役立ちます。学術研究においてぜひ活用してみてください。

参考文献

Felo
PR Times — 1カ月で15万人!話題のAI検索エンジン「Felo」の魅力とは?
Felo論文検索機能:信頼性の高い研究アクセスを実現
Felo AIアカデミックサーチの紹介:あなたの言語で国際的な論文にアクセス
Felo 3.0 検索エージェント:学術研究を効率化
Felo 3.0でPDF論文の速読を効率化!研究者必見のAIツール

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