実験のノウハウや論文を共有できるクラウドサービス「Qiita:Team」
研究室では、共有したい実験プロトコルや論文などのファイルを保存する先として、共有サーバーを使っているところが多いでしょう。今回は、共有サーバーに代わるクラウドサービスとして「Qiita:Team」を紹介します。
記事として実験プロトコルや論文のまとめを作る
Qiita:Teamは、2012年に設立されたIncrements社が提供するサービスで、ウェブブラウザからアクセスします。プログラミングに特化したオープンコミュニティ「Qiita」をベースにして、2013年に社内向け情報共有サービスとしてQiita:Teamがリリースされました。
Qiita:TeamはMarkdown記法に対応しているので、読みやすい文書を簡単に作成できます。共有したい実験プロトコルがあれば、そのまま記入して記事として作成できます。画像などのファイルも添付できるので、複雑な操作を必要とする場合でも写真を載せてわかりやすくすることも可能です。属人的になりがちな実験のノウハウを共有するのに適切です。
2017年9月のアップデートでは、PDFファイルなども添付できるようになりました。新しく入ってきた学生に研究テーマを理解してもらうため、読んでもらいたい論文と簡単な解説文をセットにして一つの記事を作る、ということもできます。
また、記事ごとに他のメンバーがコメントできるので、Qiita:Team内で議論が起こり、結果として研究室内のディスカッションが活発になることも期待できます。
情報の蓄積に向いたツール
Qiita:Teamでは、特定のメンバーのみ参加できるグループを作成し、グループ限定の記事を作ることができます。複数の研究テーマをもっているときには、研究テーマごとにグループを作成し、担当者内だけで濃密なディスカッションを行うことも可能です。
記事が増えてきても、キーワード検索やタグで簡単に記事を検索できます。チャットツールはメール代わりになる一方で情報の蓄積が難しいという欠点がありますが、Qiita:Teamは情報の蓄積に向いたクラウドツールといえます。当然ながら、研究室外からもアクセスできるので、場所にとらわれず記事の作成・閲覧ができます。
Qiita:Teamは、お試し期間として最初の30日間は無料で利用できますが、参加メンバー数によって月々の料金が変わる有料サービスです。例えば、3人で利用するなら月額1490円ですが、15人では月額1万5000円になります。まずは数人の小さなチームで試し、使い勝手や利用価値を見出していくのがよいでしょう。