論文執筆に便利なツール
ストレスフリーで論文を執筆するために
論文の大部分を占めるのは文章です。文章をいかに快適に作成できるかが、論文執筆のポイントと言ってもいいでしょう。ストレスフリーで論文を執筆するためのツールには何があるのでしょうか。
文章作成を支援するクラウドサービス
多くの方は、勤務先のパソコンで文章を作成しているのではないでしょうか。しかし現在では、スマートフォンやタブレット端末が普及しています。勤務先のパソコンだけでしか文章を作成できないというのは、時間がもったないと感じる方もいるでしょう。また、パソコンにトラブルがあった場合、データ消失の損失は計り知れません。
そこで注目されているのが「クラウドサービス」です。最近では、インターネット上にファイルを保存するだけでなく、アプリを使ってファイル作成までサポートするサービスが増えています。
文書作成の代表格であるMicrosoft Officeを提供しているMicrosoftは、Word、Excel、PowerPointをウェブ上で作成できる「Office Online」、ファイルをオンラインストレージに保存する「OneDrive」というクラウドサービスを提供しています(保存容量が15GBまでであれば無料)。パソコンにインストールするタイプに比べて使える機能に一部制限がありますが、通常の論文を作成するには十分です。他にもEvernoteやGoogleドライブなど、オンラインで文書作成できるクラウドサービスが多くあり、ほとんどは一定の保存容量までは無料で利用できます。
これらのサービスが便利なのは、インターネットにつながっていれば、スマートフォンやタブレット端末からでもファイルを閲覧・編集できることです。論文執筆は勤務先やパソコンでしかできない、という時代は終わっているのです。また、パソコンがトラブルに見舞われても、クラウドストレージからデータをダウンロードすれば、別のパソコンですぐに作業を再開できます。共同研究者とデータのやりとりが多い場合には、共有機能を使えば簡単にデータを共有できます。
ただし、クラウドサービスで使うファイルの取り扱いについては注意しましょう。特に、サービス業者がファイルにどこまでアクセスできる権限があるのかについては、細心の注意を払う必要があります。なぜなら、サービス業者がファイルの中まで閲覧できる権限をもっていたら、執筆中の論文という未公開データにアクセスされる可能性もゼロではないからです。必ず事前に、利用規約などで確認しましょう。
参考文献はソフトで自動エクスポート
論文執筆で意外に手間取るのが、参考文献を記載することです。数十にも上る参考文献の全てを手入力するのはかなり面倒です。また、参考文献の表記フォーマットはジャーナルによって異なり、フォーマットに合わせるのも一苦労でしょう。
しかし、それを支援するツールもいくつか提供されています。特に有名なのは、論文管理機能も兼ね備えているEndNoteです。指定した論文を、ユーザーの自由なテキスト形式でエクスポートする機能があります。EndNoteは有料ですが、無料で使えるソフトとしてはMendeleyがあります。
論文執筆に時間をかけるべき場所は核となる研究成果であり、自動化できるところに手間をかけるべきではありません。便利なツールを使って、論文執筆に集中できる環境を見つけましょう。