One Point English

医学英語論文の書き方マニュアル – 32:英語のスタイルは時代とともに変わります(例:Diagnose、Previous study )

医学英語総合サービスでは、弊社の校正・翻訳・投稿支援を利用くださったお客様に、月1回お知らせレターを配信しております。One Point Englishのショートメッセージも配信していますのでご紹介します。

英語のスタイル(表現)は時代とともに変わります。[科学的な論文は受動態を用いるべき]と言われていた時もあり、[論文にはWeを使うべきではない]というマニュアルもありました。

Diagnoseの使い方

■AMA Manual 9th Edition (1997年)では
patient が diagnose されるのではなく、condition が diagnoseされるとありました。

■AMA Manual 10th Edition (2007年)では
× The patient was diagnosed as [病名] …
○ The patient’s [病名] was diagnosed …

■AMA Manual 11th Edition (2020年)では
The patient “was diagnosed” という表現も acceptableとなりました。
(例)The patient was diagnosed as having [病名]
   The patient was diagnosed with [病名]

Previouslyの使い方

2001年発行の [アクセプトされる英語医学論文を書こう! -ワークショップ方式による英語の弱点克服法] (ネル・Lケネディ氏)で、「Previous studyという表現は、自分が関わった研究にしか使わない」との記載があるそうで(←弊社のクライアントの指摘です)、「Previous」「Previously」というのは、他の先行文献が書いた論文を指すときには使えない、と思っていらっしゃる方々がいらっしゃいます。しかしながら、ご自分以外の先行文献の時にも使用して問題ございません。

例: “In our previous study, we demonstrated that…”(我々の過去の研究では~を示した)
例: “As previously reported by Smith et al.,…”(Smithらによって以前報告されたように)
例: A previous study showed that …(文献番号)
例: Previous studies showed that …(複数の文献番号)

Coffee Break

「鼻かぜ」は英語でなんといいますか?
“Head cold” です!頭が冷えているわけではありません。実際には「鼻や目など、頭部に症状が出る風邪」を意味します。

英語の “head” は「首から上全体」を指すことが多いです(頭部の意味)
日本語では「頭」「顔」「首」などが細かく分かれるため、具体的な状況や文脈に応じて適切な訳語を選ぶ必要があります。

例)
She turned her head toward me. 彼女はを私の方に向けた。(顔の方が自然です)
Keep your head up! (を上げて!)
He wiped his head with a towel. 彼はタオルでを拭いた。
She had a scarf wrapped around her head. 彼女は顔にスカーフを巻いていた。
(スカーフが顔を覆っている場合、「頭部」よりも「顔」を指す可能性が高い。)

  • 英文校正
  • 英訳
  • 和訳
※価格は税抜き表記になります