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学会に参加することで得られる3つのメリット

発表者として登壇する場合はもちろん、学会は参加するだけでもさまざまなメリットを得られます。新型コロナウイルス感染症流行の影響で学会のオンライン化が進み、現在では現地参加とオンライン参加を両立したハイブリッド開催も一般的となりました。開催地が遠方だったり、スケジュールを調整しにくかったりする場合にも、学会に参加しやすくなったといえます。この記事では、学会に参加することのメリットを3つご紹介します。

①その分野の最先端の研究やトレンドを知ることができる

学会は、研究者や専門家が研究成果を発表・共有し、議論や意見交換をする場です。その分野の最先端の研究や、最新のトレンド、新たなトピックスや動向を知ることができます。学術界ではいずれの分野の研究も日進月歩で進んでおり、日々、自分の研究や臨床に向き合っているだけでは最新の情報を広く取り入れ続けることは難しいかもしれません。積極的に学会に参加することで、新しい知識や知見を学ぶことができます。

自身が今研究しているテーマに沿った内容の研究だけでなく、隣接する分野や一見すると縁遠いと思われるような分野の発表も、インスピレーションやアイデアのヒントとなる可能性を秘めています。また、学会で知り合った他の研究者と意見交換することで、学術界の最新の動向についてより深く理解することができます。

②人脈を広げられる

学会は、多くの研究者と知り合う場でもあります。研究者同士のネットワークを築き上げ、人脈を広げることは、貴重な学びの機会であると同時に研究者としてのキャリア形成にも役立ちます。いずれ一緒に共同研究をしたり、論文を投稿する際に査読者として推薦したり、純粋に分野のトレンドについてディスカッションしたりと、研究者同士のつながりは大変有意義なものです。特に、若手の研究者や学生・院生にとっては、研究者同士のネットワークは研究を続けていくモチベーションの維持向上や、将来的なキャリア形成にも役立ちます。キャリアを積んだベテランの研究者にとっても、他の研究者との交流は後進の育成や研究のインスピレーションを得る機会として重要といえます。

学会の期間中には、テーマに沿って意見交換ができるディスカッションイベントや、登壇者を含む参加者同士の交流会や懇親会が開催されることもあります。さまざまな研究者の知見を得られますし、人脈を広げるチャンスです。パネル展示やプレゼンテーションを見聞きするだけでなく、交流回答にも積極的に参加し、必要に応じて連絡先を交換するのもよいでしょう。

③プレゼンテーション能力を磨ける

学会には視聴側として参加するだけでなく、ぜひ発表にも挑戦しましょう。学会発表を通して、プレゼンテーション能力を身につけることができます。

論文をまとめあげる能力だけでなく、研究内容をわかりやすく口頭で発表するプレゼンテーション能力は、研究者にとって必須のスキルです。プレゼンスキルを磨くことで、研究成果を多くの人に伝えられるようになります。また、口頭でわかりやすく発表することは、研究内容を改めて整理し、見直す機会にもなります。自らの研究に対して、同じ分野の研究者たちからポジティブな反応や正当なフィードバックを得られれば、研究に対するモチベーションも大きく高まり、自信にもつながります。

積極的に質問・交流するのがおすすめ

学会では、各発表の後に質疑応答の時間が設けられていることがほとんどです。発表を聞くだけでなく積極的に質問することで、テーマに対する理解がより深まり、登壇した研究者と知り合うきっかけにもなります。また、登壇した研究者にとっても、質疑応答は貴重なフィードバックを得る機会といえます。

学会期間が終わった後も、交流の機会はあります。配布された資料や講演要旨集に登壇者や発表者の連絡先があれば、メールで質問や意見を送ってコミュニケーションを取ることができます。貴重な機会を有効活用し、研究者同士の交流を図るのがよいでしょう。

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