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論文では、受動態も能動態も使います

論文は受動態で書くようにと習った方も多くいらっしゃるでしょう。
投稿されたところ、「論文ではweを使用しないで、受動態で書くべき」というコメントがついてきたとおっしゃるクライアントがいらっしゃいました。

確かに、「科学的文章では能動態を使用しないように、研究論文では“we”をなるべく避けるように」と言われていた時代がありました。

学術論文の記載に関して、1920年代までは、学術コミュニティでも Weを使用しておりました。その後、“I”や“we”の使用は相応しくないとされ、 三人称と受動態の構文で書くようにという指導が入り、そういう指南書や出版物が出回りました。
しかし、論文が飛躍的に増え、読者からは、表現が硬くなりわかりにくいとの意見が寄せられ、1990年以降は 元に戻って能動態がよく使われるようになっています。実際にネットで検索してもWe を推奨する“How to本“がたくさんあります。

また、能動態の使用を奨励する研究者・雑誌も多くなっています。『Nature』誌のように学際的でSCI(サイエンス・サイテーション・インデックス)に収録されているジャーナルや、『American Journal of Botany』のように専門的なジャーナルでも、能動態が望ましいと言っています。

能動態は、先行研究を議論し、自分の研究の導入となる「序論」と、「考察」の部分でよく使われます。
(例) “Previous studies have established that drug X increases the serum levels of …. In this study, we investigated the effects of drug X on the serum levels of ….”

ただ、論文全て能動態にする方が良いということではありません。
“We inserted a catheter ….” という表現よりも、“A catheter was inserted for …” の方がわかりやすいし、学術的です。

能動態と受動態を適切に選び、伝えたいことをより明確に表現しましょう。
どちらがわかりやすいですか?どちらを選びますか?

・例1
An experiment was conducted to determine XXX.
We conducted an experiment to determine XXX.

・例2
Figure 1 shows XX.
XX is shown in Fig.1.

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