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プレゼン(研究発表)の5つのコツ

学会や講演会などでプレゼン(研究発表)をするにあたっては、十分な準備と練習が必要です。聞きやすく、要点がしっかりと伝わり、聞き手の印象に残るプレゼンをするためのコツを5つご紹介します。

1.読みやすいスライドを作る

プレゼンをするときにまず必要なのが、内容を簡潔にまとめたスライドです。論文の文章をそのままコピー&ペーストしただけの文字ばかりのスライドでは、聞き手を惹きつけることは難しく、要点もきちんと伝わりません。

プレゼンを聞く人たちにとって読みやすい、伝わりやすいスライドのポイントは以下の通りです。

・スライド1ページにつき1つのメッセージを盛り込む
・プレゼン全体を通して話の流れがスムーズに展開する
・端的で明確な文章で書かれている
・聞き手の専門性(知識レベル)に合わせた表現を使う

また、スライドのデザインも工夫し、視覚的に伝わりやすく仕上げましょう。

・図表やグラフを活用する
・フォントの種類やサイズを統一する
・文字色はカラフルにしすぎない。本文をベースカラー、見出しや装飾をメインカラー、強調したい箇所をアクセントカラーとし、2~3色程度に抑える
・過剰なアニメーションは不要(装飾しすぎない)

詳しく伝えようとして大量の情報を羅列してしまうと、最も伝えたい部分が聞き手にうまく伝わりません。逆に、簡潔に書きすぎて重要な情報が抜け落ちたり、話の流れが飛んでしまったりしないよう気を付ける必要もあります。割り当てられたプレゼン時間に合わせた適切な情報量を意識しながら、要点を絞ってスライドを作成しましょう。

2.原稿とは別に、要点をまとめたメモを作る

スライドができあがったら、プレゼン発表用の要点をまとめてメモを作りましょう。プレゼン用の原稿を用意する場合もあるかもしれませんが、原稿をただ読み上げるだけでは心に残るプレゼンにはなりません。原稿を読み上げようとすると視線が下がり、声量が小さくなったり声の抑揚がなくなったりするだけでなく、聞き手の反応が見えなくなってしまいます。

そこで役に立つのが、プレゼンのページごとに何を話すかをまとめた「要点メモ」です。スライドを簡潔に仕上げるために盛り込みきれなかった情報や、言葉で補足したい解説、補足情報などをメモしておきます。スライドを紙に出力し、余白に書き込むのもよいでしょう。

例えば、スライド上では研究の目的や結果を箇条書きで示しておき、実際の発表のときにはさらに具体的な背景や先行研究についての情報を細かく補足できるように、メモにまとめておきます。また、スライドとスライドの間をつなぐときにどのような話の流れで展開するかも、メモしておくのがおすすめです。

原稿も要点メモも、明確で簡潔な言葉で書くよう心がけましょう。専門用語や略語の多用や、書き言葉によくある冗長な表現は、聞き手の理解を遅らせ内容を追いにくくする原因となります。スライドを作成するときと同様に、聞き手の専門性や知識レベルに合わせた端的な文章でまとめるようにしましょう。

3.練習を繰り返す

スライドと要点メモ(または原稿)が用意できたら、時間を測りながら発表の練習をしましょう。何度か練習することで自信もつきますし、当日の緊張も軽減できるかもしれません。

練習するときは、黙読ではなく、実際に声に出して練習することが大切です。声量や話すスピードも意識しながら、講演時間内に発表を終えられるように繰り返し練習しましょう。特に、スライドの切り替わりや話の内容が変わる場面では、話の流れがスムーズにつながるようにします。スライドを切り替えながらどんどん話が進んでいくと、前後のスライド同士の関連性が伝わりにくく、断片的な情報を詰め込んだだけのプレゼンになってしまいます。必要に応じて場面転換用のスライドを挿入したり、要点メモに適切なつなぎ言葉を書き留めたりしましょう。

練習していて規定のプレゼン時間をオーバーしてしまう場合は、スライドの枚数を減らす必要があります。内容を厳選し、要点を絞ってブラッシュアップしましょう。逆に時間が余ってしまう場合は、読み上げるスピードや間の取り方で調整するほか、質疑応答の時間を長めに取ることもできます。

4.第三者からフィードバックをもらう

何度か練習した後は、可能であれば第三者に聞いてもらうのがおすすめです。声量、話すスピード、間の取り方などについてアドバイスしてもらいましょう。また、発表内容のわかりにくいところや情報の過不足があれば指摘してもらい、スライドや要点メモに反映します。

第三者からフィードバックをもらうことは質疑応答の準備にもなります。プレゼン後の質疑応答は、自身の研究内容へのフィードバックや新たな視点をもらえる貴重な機会です。また、同じ分野の研究者と知り合い、信頼関係を築くチャンスでもあります。本番の前に第三者からフィードバックをもらい、参加者からどのような質問が来るかを想定しておくことは、スライドの改善や要点メモの補強にも役立ちます。

もしくは、発表の様子を録音・録画して見直し、自分で改善点を見つけるのもよいでしょう。目線や間の取り方などを意識しながら繰り返し練習することで、自信をもって発表できるようになります。

5.聞き手の反応も意識する

プレゼンの本番では、聞き手の反応を意識することも大切です。原稿を読み上げるだけ、一方的な講義にならないよう、発表の仕方にさまざまな工夫をしてみましょう。

例えば、発表の冒頭や途中で聞き手に質問を投げかけてみるのもおすすめです。ただプレゼンを聞くだけでなく考える機会があると、聞き手は発表内容を自分事として意識し、興味を持つきっかけになります。スライドに質問用のページを追加したり、要点メモに質問項目を控えたりしておくとよいでしょう。

また、プレゼンの最中に聞き手と目を合わせたり、手のアクションや身振りを大きくしたりすることで、聞き手を惹きつけ、最後まで集中して聞いてもらうことができます。その際、研究者としての信頼性と親しみやすさを両立したトーンで話すことを心がけましょう。時間と気持ちに余裕があれば、アイスブレイクとして研究テーマに近い内容の雑談をしたり、ユーモアを取り入れたりするのもおすすめです。

自信を持って発表しよう

プレゼンは、自分が取り組んできた研究内容を広く知ってもらう機会です。自信に満ち溢れた発表は、聞き手の印象に残ります。自信を持って発表するためには、スライドや要点メモを事前にしっかりと準備し、繰り返し練習することが大切です。

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