医学英語論文の書き方マニュアル – 25:【nowadays】 は科学的なものにはNG?
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今月は【nowadays】 は科学的なものにはNG?についてです。
最近という表現
「最近」と言えば、nowadays, these days, lately, recentlyですが、ニュアンスに違いがあります。
nowadaysは「昨今では」のように「社会の出来事」などに使いますが、these daysは個人的なできごとにも使います。
「過去との対比」のニュアンスなので、動詞は現在形を使います。
(例)Nowadays a lot of children learn programming.
最近では、多くの子供たちがプログラミングを学びます。
(例)I’m not feeling like myself these days.
最近なんか調子が悪いです。
latelyは頻繁に起きていることや、継続していることに使われ、現在完了形を使うのが一般的です。
(例)I’ve been working out lately. 近頃は運動をしています。
recentlyは「継続していること」や「つい最近に起こった個々の出来事について」使うのが一般的です。現在完了形や過去形の動詞を使います。
(例)I went camping recently.最近キャンプに行きました。
グレン・バケット著「科学論文の英語用百科」Chapter 88の解説
通常、nowadaysは、科学的および数学的な議論にはふさわしくない。(略)
now, today, at the present time, at this time, presently currentlyなどのような「傾向」や「流行」という意味を含まない表現を用いるべきである。
(×)Nowadays polarized ion sources are commonly used in nuclear physics.
(○)Polarized ion sources are now commonly used in nuclear physics.
とされています。
Coffee Break
英字新聞にこんな表現がありました。
こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)
“Konotori no Yurikago” (storks’ cradle) baby hatch
「こうのとり= Stork」「ゆりかご= cradle」
hatchは動詞で「(卵やひなが)かえる、孵化する」名詞で「蓋、出入り口」の意味があります。
インターネットでは、赤ちゃんポストとして、baby postやbaby boxの表現も出てきます。
慈恵病院は一貫して「こうのとりのゆりかご」という名称を使用しており、自院の施設を「赤ちゃんポスト」と呼んだことはなく、子供を「棄てる」場所ではなく「救う」ための場所であるとおっしゃっています。世界中にこういう施設がありますが、イタリア語では Culle per la vita(命のゆりかご)と読んでいるそうです。