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海外と国内のジャーナル検索ツールの紹介

近年、電子ジャーナルやオープンアクセスなどの発展もあり、世界中の研究者たちは、自らの研究成果を「論文」として発表しています。こうした論文やジャーナルは、閲覧する側からは的確・適切に検索することが必要とされています。一方で、自らの研究発表の場として相応しいジャーナルを効率よく探し出すことも求められており、ジャーナルや論文を探し出し活用するためのツールが数多く存在しています。
海外のツールと国内のツールに分けてみていきましょう。

海外のジャーナル検索ツール

Web of Science

国際的に高い評価を得ている総合的な学術ジャーナルデータベース検索システムです。科学分野で初めてのサイテーションインデックスScience Citation Index (SCI)を導入したInstitute for Scientific Information (ISI)が前身です。現在はClarivate Analyticsが提供する世界最大級のプラットフォームとして、世界中の主要な学術機関や政府機関、企業、研究者が採用・利用しています。専門分野等によって多種のデータベースを所有しており、これらに収録されているジャーナル、論文、書籍、会議録等にはすべて一貫性のあるインデックス(索引)が付与されています。そのため、高い品質を維持するとともに、横断的なリンクにより多くの研究を結びつけています。

Scopus

Elsevierが提供する世界最大級の抄録・引用文献データベースで、カバー範囲は科学・技術・医学・社会科学・人文科学と全分野に及びます。査読済みの文献抄録や引用文献のほか、ジャーナルや会議録、書籍も収録されており、世界7,000社以上の出版社、逐次刊行物25,000以上のタイトル、会議録130,000以上のイベント、256,000タイトルの書籍からの8,100万件の文献、抄録であれば1800年代のものから、参考文献は1970年以降の文献収録というデータ量を誇ります。文献検索に留まらず、各種評価分析から教育ツールとして多くの政府機関、教育機関で活用されています。

PubMed

アメリカ国立衛生研究所(NIH)の国立医学図書館(NLM)国立生物工学情報センター(NCBI)が公開している、生物医学・生命科学の文献検索のデータベースです。データベースには論文の検索とその要約の検索をすることができ、3200万の収録があります。ジャーナル全文は収録範囲ではありませんが、NLMのレビューによるアーカイブリソースPubMed Central(PMC)や出版社のWebサイトなどでの全文閲覧へのリンクが表示される場合があります。

DOAJ

アメリカ国立衛生研究所(NIH)の国立医学図書館(NLM)国立生物工学情報センター(NCBI)が公開している、生物医学・生命科学の文献検索のデータベースです。データベースには論文の検索とその要約の検索をすることができ、3200万の収録があります。ジャーナル全文は収録範囲ではありませんが、NLMのレビューによるアーカイブリソースPubMed Central(PMC)や出版社のWebサイトなどでの全文閲覧へのリンクが表示される場合があります。

Google Scholar

Googleが提供するサービスのひとつで、学術文献を検索できるツールです。幅広い学術情報を無料で手軽に検索することができます。学術出版社・専門学会・オンラインリポジトリ・大学などのWebサイトから、論文、記事、書籍、要約、など幅広い分野について検索することができます。検索結果からフルテキストや出版社の抄録ページ、オンライン書店、ウェブ上で閲覧可能な資料など多様なリンクを提供することが特徴となっています。幅広い収録情報へのアクセスが手軽に可能になり活用が広がる一方、検索範囲がはっきりしない点や、記事の段階やバージョンなど結果については注意が必要とされるものもあります。

国内のジャーナル検索ツール

JDreamⅢ

株式会社ジー・サーチが管理運営する、国内最大の科学技術文献情報データベースです。学協会誌(ジャーナル)、会議・論文集/予稿集、企業技報、公共資料などを情報源としています。独立行政法人科学技術振興機構により、データが作成されています。科学技術分野(医学・薬学を含む)の全分野の国内外の文献を検索することができ、収録数は約7,000万件です。海外文献も日本語に翻訳されているため内容の把握がしやすく、また、JST科学技術用語シソーラスによって日本語で高精度な検索を可能にしています。

CiNii

Citation Information by NII(NII学術情報ナビゲータ)の略で[サイニィ]と読みます。国立情報学研究所(Nii)が運営する、論文や図書・雑誌、博士論文などの学術情報で検索できるデータベース・サービスで、国内のさまざまな機関が提供するデータを収録しています。検索したい情報によっていくつかのサービスを抱えていますが、論文情報であればCiNii Articleで学協会誌や研究紀要など2,000万件から検索することができます。リンク表示からフルテキストやデータ提供サイトへのアクセスが可能で、引用関係もたどることができます。

IRDB

国立情報学研究所(Nii)が運営する、学術機関リポジトリデータベース(Institutional Repositories DataBase)です。もともと運用していた旧IRDBと学術機関リポジトリポータルであるJAIRO(Japanese Institutional Repositories Online )を統合し、新たなメタデータ規格に変換・正規化を行うことより正確なデータを国内外の検索システムに提供できるようになりました。集約した学術論文は、前述のCiNii Articlesや博士論文検索のCiNii Dissertationsなどのサービスに提供されます。検索サービスの利用者は、研究データや学術論文が日本のどの学術機関リポジトリに収録されているのを探しやすくなっています。

J-STAGE

国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が運営する、電子ジャーナルプラットフォーム「科学技術情報発信・流通総合システム」のことを指します。日本から発表されるジャーナル、会議論文・要旨集、研究報告・技術報告、解説誌・一般情報誌等として、人文科学・社会科学を含む科学技術情報が公開されています。基礎科学系、ライフ系、医学・保健衛生系、工学系、学際科学系、人文・社会科学系と幅広い分野の1,500以上の発行機関による3,000誌を超える刊行物を公開しています。

参考文献

Clarivate Analytics Web of Science
Elsevier Scopus
National Library of Medicine PubMed
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Google Scholar About
九州大学附属図書館 知っておきたい検索テクニック:Google Scholar
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